
この記事では、肩こりと頭痛がセットで起こる理由を解説します。結論は、首から届く信号と、おでこや目の奥から届く信号が、脳に入る手前で同じ場所に合流しているからです。脳は、どちらから来たのか区別できません。だから、首のこりが「頭の痛み」として届きます。
「肩がこってくると、決まって頭まで痛くなる」
「夕方になると、首の後ろから頭が重くなってくる」
「頭痛薬を飲んでも、また同じところが痛くなる」
そんなお悩みがある時には、このブログがお役に立てると考えています。
結論からお伝えします。肩こりと頭痛がセットで起こるのは、偶然ではありません。首から脳へ入る神経と、おでこや目の奥から入る神経が、脳の手前で同じ場所に合流しているからです。
こんにちは、兵庫県小野市でこころ鍼灸整骨院を開業しています院長の作尾大介です。
当院には、頭痛でお悩みの方がたくさん来られます。その多くが、肩こりも一緒に抱えておられます。「肩のせいで頭が痛いんでしょうか」と聞かれることも、よくあります。
答えは、はい、です。ただし、肩の筋肉が頭を締めつけているわけではありません。もう少し面白い仕組みが働いています。
肩こりと頭痛は、そんなに多い組み合わせなのでしょうか?

多いです。
頭痛のなかでいちばん多いのは、緊張型頭痛(首や肩の筋肉の緊張が関係する頭痛)です。日本の調査では、疑いのある方も含めて22.3%がこのタイプとされています(『頭痛の診療ガイドライン2021』)。5人に1人以上という数字です。
当院にお越しになる方も、このタイプがいちばん多い印象です。
なぜ、首のこりが「頭の痛み」として届くのでしょうか?
会社の代表番号を思い浮かべてください。
営業部にかけても、総務部にかけても、同じ代表番号を通ります。受けたほうは、どの部署からかかってきたのか分かりません。
体も同じです。

おでこや目の奥の感覚を脳へ届ける神経と、首や後頭部から届く神経は、脳に入る手前で同じ場所に合流しています。合流したあとは、一本にまとまって脳へ上がっていきます。
ですから脳から見ると、首から来た信号なのか、おでこから来た信号なのか、区別がつきません。
その結果、こうなります。
首のこりから出た信号なのに、脳は「おでこが痛い」「目の奥が痛い」と受け取る。
これが、肩がこると頭が痛くなる正体です。痛みの出どころと、痛みを感じる場所が、ずれているのです。
逆のことも起こります。頭痛が始まると首の後ろが凝ってくる、という方もいらっしゃいます。同じ合流点を通るので、どちらが先なのかは、ご本人の感覚だけでは決まりません。
首のつけ根の筋肉が、特に関係するのはなぜですか?

首の後ろ、髪の生え際のあたりに、小さな筋肉が集まっています。
この筋肉は、力を出すための筋肉ではありません。頭がどこを向いているかを測るセンサーです。だから、とても敏感にできています。
パソコン作業やスマホを見ているあいだ、この筋肉は働き通しです。目を動かすたびに、頭の位置を細かく調整しているからです。
働き通しの筋肉は、休めません。そこから出る信号が増え続ければ、さきほどの合流点へ届く量も増えていきます。
デスクワークの方、下を向く家事が続く方、お子さんを抱っこする時間が長い方に頭痛が多いのは、ここが大きく関係しています。
肩をもめば、頭痛は楽になるのでしょうか?
その場は楽になります。ただ、しばらくすると戻ってしまう方が多いです。
筋肉の張り具合は、脳から降りてくる指令で決まっています。もんで一時的に張りが下がっても、その指令が変わらなければ、また元に戻ります。
ここは大事なところですので、別の記事であらためてお話しします。
こんな頭痛は、すぐに医療機関を受診してください
次のような場合は、体を整える前に、医療機関での検査を優先してください。
- 突然、経験したことのない激しい頭痛が起きた
- 発熱があり、首の後ろが固まって前に曲げられない
- ろれつが回らない、片側の手足がしびれる、物が二重に見える
- 激しい吐き気や嘔吐をともなう
- 50歳を過ぎてから、初めて頭痛が出るようになった
- いつもの頭痛と、痛み方や場所が明らかに変わった
当院でも、施術の前に必ずこの確認をしています。危険な頭痛かどうかを見極めることは、私たちの大切な役割だと考えています。
今日からできることはありますか?

ひとつだけ、おすすめがあります。
1時間に1回、遠くを見てください。
やり方はかんたんです。人差し指を1本立てて、顔の前30センチくらいに掲げます。その指先を2〜3秒見つめます。次に、窓の外など遠くを2〜3秒見ます。これを5往復するだけです。1分もかかりません。
目の動きが変われば、頭の位置を調整している首の筋肉も、いったん働き方が変わります。休憩のきっかけになります。
デスクワークの合間に、試してみてください。
まとめ
- 肩こりと頭痛がセットで起こるのは、偶然ではありません
- 首からの信号と、おでこ・目の奥からの信号は、脳の手前で合流します
- 脳はどちらから来たのか区別できないので、首のこりが頭の痛みとして届きます
- 首のつけ根の筋肉は、頭の位置を測るセンサーです。パソコンやスマホで働き通しになります
肩こりも頭痛も、長く付き合っていると当たり前になってしまいます。けれど、当たり前にしなくていいものです。
最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。皆様の健康と、笑顔あふれる毎日を心よりお祈りしております。
(監修:柔道整復師・はり師・きゅう師 作尾大介)
この記事を書いた人

作尾 大介(さくお だいすけ)
- 資格:柔道整復師・はり師・きゅう師(いずれも国家資格)
- 施術歴:2005年より20年以上、のべ約18万人の施術を担当
- 得意分野:頭痛、肩こり、腰痛、坐骨神経痛、五十肩など、長引く慢性的な痛みと体の不調
- 所属院:こころ鍼灸整骨院(兵庫県小野市中町278-3 ひかりハイツ101)
参考文献・引用元
- 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 監修、「頭痛の診療ガイドライン」作成委員会 編集『頭痛の診療ガイドライン2021』医学書院、2021年(第Ⅰ章 CQ I-11)






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