
この記事では、睡眠と頭痛の関係を解説します。結論は、眠っているあいだに脳の老廃物が洗い流されているからだと私は考えています。この掃除は、起きているあいだより眠っているあいだのほうが活発になると報告されています。寝不足の翌日に頭が重いのは、掃除が足りていないことが一因ではないかと考えています。
「寝不足の日は、決まって頭が重い」
「しっかり眠れた日は、同じ仕事でも平気」
「夜中に何度も目が覚めてしまう」
そんなお悩みがある時には、このブログがお役に立てると考えています。
結論からお伝えします。眠ることは、休むこと以上に、脳を掃除する時間です。
こんにちは、兵庫県小野市でこころ鍼灸整骨院を開業しています院長の作尾大介です。
頭痛の方に「よく眠れていますか」と伺うと、多くの方が口ごもられます。眠りが浅い、途中で目が覚める、寝た気がしない。頭痛と睡眠は、思っている以上に深くつながっています。
眠っているあいだ、脳では何が起きているのでしょうか?

掃除が行われています。
脳は、体の中でも特にたくさんエネルギーを使う場所です。たくさん使えば、そのぶん老廃物も出ます。
近年、この老廃物を洗い流す仕組みがあることが分かってきました。グリンパティックシステムと呼ばれるもので、脳のまわりを流れる液が、日中に溜まったものを運び出します。
そして大事なのはここです。この掃除は、起きているあいだよりも、眠っているあいだのほうが活発になると、マウスを使った研究で報告されています(Xie L, et al. Science 2013)。
つまり、眠らなければ掃除の時間が十分に取れないと考えられます。
掃除が足りないと、どうなるのでしょうか?
脳の疲れが持ち越されます。
疲れた脳は、抑える働きから先に落ちていきます。痛みの音量を絞る働き、筋肉の張りを抑える働き、体を緊張させすぎないようにする働き。この3つがゆるみやすくなると考えています。「脳が疲れると、なぜ頭が痛くなるのでしょうか?」で詳しくお話ししています。
すると、こんなことが起こりやすくなります。
- 今までなら感じずに済んでいた首や肩のこりが、頭の痛みとして届く
- 力を抜いているつもりでも、体が身構えたままになる
- 血管が細くなり、酸素も届きにくくなる
「同じ仕事量なのに、寝不足の日だけ頭が痛い」。その理由のひとつが、ここにあると考えています。首や肩の状態は、前の日とほとんど変わっていません。変わったのは、脳の側なのだと思います。
長く眠れば、それでいいのでしょうか?
時間だけの問題ではありません。
何度も目が覚める眠りでは、掃除の時間が細切れになります。中断されずに眠れているかのほうが大切です。
頭痛の方に、夜中の中途覚醒が多いのは、偶然ではないと考えています。体が緊張したまま布団に入れば、深く眠れません。そして眠れないから、翌日また緊張する。ここでも輪ができます。
こんなときは、医療機関を受診してください
- 眠っているあいだに、頭痛で目が覚める
- 朝起きたときに、いつも頭痛がある
- 大きないびきをかく、眠っているあいだに呼吸が止まっていると指摘された
- 突然、経験したことのない激しい頭痛が起きた
- いつもの頭痛と、痛み方や場所が明らかに変わった
1つ目と2つ目は、詳しく調べたほうがよいサインとされています。心当たりのある方は、一度医療機関にご相談ください。
今日からできることはありますか?
寝る1〜2時間前に、ぬるめのお風呂に入ってください。
人は、体の温度が下がっていくときに眠くなります。お風呂で一度上げておくと、そのあと下がる幅が大きくなり、自然な眠気がやってきます。
- 38〜40度のお湯に、15分ほどつかる
- 入るのは、寝る1〜2時間前
- 熱いお湯は避ける。42度を超えると、かえって体が緊張する側に働く
シャワーだけで済ませている方は、まず週に2回からでかまいません。
もうひとつ。布団に入ってからのスマホは、なるべくやめてください。目と首が働き続けてしまい、脳が休む体勢に入りにくくなります。
まとめ
- 眠っているあいだ、脳では老廃物を洗い流す掃除が行われています
- この掃除は、起きているときより眠っているときのほうが活発になると報告されています
- 掃除が足りないと、脳の抑える働きから先に落ちると考えています
- だから寝不足の日だけ、同じ仕事でも頭が痛くなりやすいのだと考えています
- 寝る1〜2時間前に、38〜40度のお風呂に15分つかってください
眠ることは、サボることではありません。体の中でいちばん大きな仕事が行われている時間です。
最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。皆様の健康と、笑顔あふれる毎日を心よりお祈りしております。
(監修:柔道整復師・はり師・きゅう師 作尾大介)
この記事を書いた人

作尾 大介(さくお だいすけ)
- 資格:柔道整復師・はり師・きゅう師(いずれも国家資格)
- 施術歴:2005年より20年以上
- 得意分野:頭痛、肩こり、腰痛、坐骨神経痛、五十肩など、長引く慢性的な痛みと体の不調
- 所属院:こころ鍼灸整骨院(兵庫県小野市中町278-3 ひかりハイツ101)
参考文献・引用元
- Xie L, Kang H, Xu Q, et al. Sleep drives metabolite clearance from the adult brain. Science 2013;342(6156):373-377.
- 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 監修、「頭痛の診療ガイドライン」作成委員会 編集『頭痛の診療ガイドライン2021』医学書院、2021年(危険な頭痛のサイン:第Ⅷ章 二次性頭痛)






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