
この記事では、頭痛が長く続いたときに体の中で起きる変化を解説します。結論は、痛みを自分で抑える仕組みそのものが、働きにくくなっていくからです。目安は3か月から半年。ここを越えると、首をゆるめるだけでは届きにくくなると考えています。
「もう何年も、頭痛とつきあっている」
「髪を洗うだけで頭皮が痛い日がある」
「マッサージに行っても、以前ほど楽にならなくなった」
そんなお悩みがある時には、このブログがお役に立てると考えています。
結論からお伝えします。痛みが長く続くと、痛みを自分で抑える仕組みそのものが、働きにくくなっていきます。目安は3か月から半年です。
こんにちは、兵庫県小野市でこころ鍼灸整骨院を開業しています院長の作尾大介です。
「昔はもんでもらえば楽になったのに、最近は効かない」。長く頭痛を抱えておられる方から、よく伺う言葉です。効かなくなったのには、理由があります。
そもそも、痛みを抑える仕組みとは何でしょうか?
私たちの体には、痛みの音量を絞る働きが備わっています。
たとえば、机の角に足をぶつけた直後は飛び上がるほど痛いのに、しばらくすると気にならなくなりますね。刺激そのものが消えたわけではありません。脳から「そこまで大きく伝えなくていい」という指令が降りて、音量が絞られているのです。
ふだんの生活で、少しのこりや張りを痛みとして感じずに済んでいるのは、この働きのおかげです。
長く続くと、その仕組みはどうなるのでしょうか?

絞りが効かなくなっていきます。
火災報知器を思い浮かべてください。感度が上がりすぎた報知器は、煙が出ていなくても鳴ります。料理の湯気でも、日なたの暖かさでも鳴る。鳴ること自体が仕事になってしまった状態です。
長引いた痛みでも、同じことが起こります。
- 髪を洗う、櫛でとかす、枕が当たる——それだけで痛い
- 以前は感じなかった程度のこりが、はっきり痛みとして届く
- 首をどれだけゆるめても、頭痛が変わらない
3つ目が、いちばん大事なところです。ゆるめても届かないのは、施術が下手だからでも、体が手遅れだからでもありません。問題が起きている場所が、首から上に移っていると考えられるからです。
目安の期間はどれくらいでしょうか?
3か月から半年が、ひとつの分かれ目とされています。
ですから当院では、初回に「いつから続いていますか」と、まずお聞きしています。同じ強さの頭痛でも、2週間前からの方と、5年前からの方では、やるべきことが変わるからです。
痛みの強さより、続いている長さのほうを重く見ています。
顎やお腹の不調も、一緒にありませんか?
この段階に入っている方には、ある特徴があります。
顎の不調や、お腹の調子の悪さを一緒に抱えておられることが多いのです。顎が開けにくい、朝起きると顎がだるい。あるいは、緊張するとお腹が痛くなる、下しやすい。
これらは別々の不調に見えますが、痛みを抑える仕組みが落ちているという点で共通していると考えられています。だから当院では、頭痛の方に顎とお腹のことも伺います。
気持ちの状態も関係するのでしょうか?
します。ただし「気のせい」という意味ではありません。
痛みを抑える働きは、心地よさや期待感があるときによく働きます。逆に、不安や気分の落ち込みが強いと、十分に出てきにくくなります。これは体の仕組みの話です。
「またあの痛みが来る」「もうよくならない」「薬しかない」。こうした思いが強くなるほど、痛みが長引きやすいことが知られています。「頭痛薬は、飲み続けても大丈夫なのでしょうか?」で詳しくお話ししています。
だからこそ、楽になった実感を積み重ねることを大切にしています。気分の問題ではなく、痛みを抑える仕組みそのものに関わる話だと考えているからです。
こんなときは、医療機関を受診してください
長く続いている頭痛でも、次のような変化があれば受診してください。
- いつもの頭痛と、痛み方や場所が明らかに変わった
- だんだん強くなる、頻度が増えている
- 突然、経験したことのない激しい頭痛が起きた
- ろれつが回らない、片側の手足がしびれる、物が二重に見える
- 50歳を過ぎてから、初めて頭痛が出るようになった
「いつものことだから」が、いちばん危ないと考えています。
今日からできることはありますか?

1日10分、少し早く歩いてください。
体を動かしているあいだ、痛みを抑える働きは強くなります。運動は、この仕組みに直接はたらきかけられる、数少ない方法のひとつと考えられています。
ポイントは「少し早く」です。息が弾むくらい。会話はできるけれど、歌うのは苦しい。そのくらいの速さが目安です。
- 買い物や通勤の行きだけ、いつもより少し速く歩く
- 10分でかまわない。毎日でなくてもかまわない
- 痛みが強い日は、無理にやらない
頑張って30分歩いて、翌日やめてしまうより、10分を続けるほうが大切だと考えています。
まとめ
- 痛みを自分で抑える仕組みが、体には備わっています
- 長く続くと、その絞りが効かなくなります。目安は3か月から半年
- 感度が上がりすぎた火災報知器と同じ状態です
- 顎やお腹の不調が一緒にあるときは、この段階を疑います
- 1日10分、少し早く歩くことが、この仕組みを助けると考えられています
長く続いた頭痛ほど、時間はかかります。けれど、どこで何が起きているかが分かれば、やることは見えてきます。
最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。皆様の健康と、笑顔あふれる毎日を心よりお祈りしております。
(監修:柔道整復師・はり師・きゅう師 作尾大介)
この記事を書いた人

作尾 大介(さくお だいすけ)
- 資格:柔道整復師・はり師・きゅう師(いずれも国家資格)
- 施術歴:2005年より20年以上
- 得意分野:頭痛、肩こり、腰痛、坐骨神経痛、五十肩など、長引く慢性的な痛みと体の不調
- 所属院:こころ鍼灸整骨院(兵庫県小野市中町278-3 ひかりハイツ101)
参考文献・引用元
- 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 監修、「頭痛の診療ガイドライン」作成委員会 編集『頭痛の診療ガイドライン2021』医学書院、2021年(危険な頭痛のサイン:第Ⅷ章 二次性頭痛)






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