
この記事では、雨の前に頭が痛くなる理由を解説します。結論は、気のせいではないと私は考えています。低気圧のときには、酸素がわずかに薄くなること、耳の奥が気圧の変化を感じ取ること、「また来る」という記憶が体を先回りさせること。この3つが重なっています。
「雨が降る前の日は、朝から頭が重い」
「天気予報のアラームが鳴ると、それだけで憂うつになる」
「気のせいだと言われて、それ以上は言えなかった」
そんなお悩みがある時には、このブログがお役に立てると考えています。
結論からお伝えします。気のせいではありません。体が正直に反応しています。
こんにちは、兵庫県小野市でこころ鍼灸整骨院を開業しています院長の作尾大介です。
天気で頭が痛くなる、という話をすると、まわりに分かってもらえないことがあります。「またそんなことを言って」と。言われたほうは、悔しい思いをされていると思います。
でも、体の中では、ちゃんと理由のあることが起きています。
低気圧のとき、体では何が起きているのでしょうか?
大きく3つあります。順に見ていきます。
① 酸素が、わずかに薄くなります
気圧が下がると、同じ量の空気に含まれる酸素の量が、わずかに減ります。
体は、食べ物と酸素からエネルギーを作っています。材料の片方が少し細るので、作れるエネルギーの量も少し落ちるのではないかと私は考えています。
エネルギーが足りなくなると、使った筋肉がゆるみにくくなります。そして脳のはたらきも、少し落ちやすくなります。これが土台にあると考えています。
② 耳の奥が、気圧の変化を感じ取ります
ここが、いちばん見落とされているところです。あとで詳しくお話しします。
③ 「また来る」という記憶が、体を先回りさせます
雨の日につらい思いをした記憶は、体に残ります。
すると次に雨が近づいたとき、まだ痛くなっていないのに、体が先に身構えます。これは気持ちの問題というより、過去の経験から体が学習した結果だと私は考えています。
なぜ、耳の奥が関係するのでしょうか?

耳の奥には、頭の傾きや動きを感じ取る場所があります。平衡感覚をつかさどる部分です。「頭痛と一緒に、目が疲れたりふらついたりするのはなぜでしょうか?」で詳しくお話ししています。
この場所は、気圧の変化にも反応すると考えられています。飛行機やエレベーターで耳がツンとするのは、鼓膜の内側と外側で気圧に差ができるためです。耳は、それだけ気圧の変化を受けやすい場所なのです。
そして、この感覚は脳へ送られます。届く先のひとつが、「快・不快」を判断する場所です。
だから、気圧が動いたとき、はっきりした痛みになる前に「なんとなく嫌な感じ」「体が重い」という形で出てきます。天気が崩れる前にそわそわする、という方がいらっしゃるのは、このためだと考えています。
「気のせい」と言われてしまうのは、なぜでしょうか?
写らないからです。
検査の画像に写るのは、骨のならびや血管のかたちです。気圧で体がどう反応しているかは、写真には写りません。
写らないことは、ないことではありません。ここは、はっきりお伝えしておきたいところです。
天気予報のアラームで憂うつになるのは?
さきほどの③が働いています。
気圧の変化を知らせるアプリを使っておられる方は多いと思います。便利なものです。ただ、アラームが鳴った瞬間に、体が身構え始めることがあります。
「来るぞ」と思うと、肩に力が入ります。呼吸が浅くなります。まだ気圧が下がりきっていなくても、体のほうが先に準備してしまうわけです。
だからといって、アプリをやめる必要はありません。知っておいたほうが、予定を調整できます。ただ、鳴ったあとに肩の力を抜くことだけ、覚えておいてください。
こんなときは、医療機関を受診してください
天気のせいだと思っていても、次のような場合は別です。すぐに受診してください。
- 突然、経験したことのない激しい頭痛が起きた
- 発熱があり、首の後ろが固まって前に曲げられない
- ろれつが回らない、片側の手足がしびれる、物が二重に見える
- ぐるぐる回るような激しいめまいをともなう
- いつもの天気頭痛と、痛み方や場所が明らかに違う
「天気のせい」で片づけてしまうと、見落としが起きることがあります。いつもと違うと感じたら、ためらわずに受診してください。
今日からできることはありますか?

耳のまわりを、温めてゆるめてください。
気圧を感じ取っているのは耳の奥です。そのまわりの血の巡りを良くしておく、という考え方です。一般に紹介されている方法で、痛くない範囲で行えば体への負担も少ないものです。
やり方はかんたんです。
- 耳たぶを軽くつまんで、外側にやさしく引く(5秒)
- そのまま、ゆっくり後ろへ5回まわす
- 最後に、耳の後ろのくぼみに手のひらを当てて温める
強く引っぱらないでください。痛くない範囲で十分です。蒸しタオルを耳の後ろに当てるのも、気持ちよくておすすめです。
天気が崩れそうな日は、前の日の夜にやっておくと良いと思います。あわせて、その日は予定を少し軽くしておく。これがいちばん現実的な備えかもしれません。
まとめ
- 雨の前の頭痛は、気のせいではありません
- 低気圧では、酸素がわずかに薄くなり、作れるエネルギーが少し落ちると考えています
- 耳の奥が気圧の変化を感じ取り、「快・不快」を判断する場所へ届きます
- 「また来る」という記憶が、体を先回りさせます
- いつもと違う痛み方のときは、天気のせいにせず受診してください
分かってもらえないつらさは、痛みそのものと同じくらいこたえます。せめて体の中では、理由のあることが起きていると知っておいてください。
最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。皆様の健康と、笑顔あふれる毎日を心よりお祈りしております。
(監修:柔道整復師・はり師・きゅう師 作尾大介)
この記事を書いた人

作尾 大介(さくお だいすけ)
- 資格:柔道整復師・はり師・きゅう師(いずれも国家資格)
- 施術歴:2005年より20年以上
- 得意分野:頭痛、肩こり、腰痛、坐骨神経痛、五十肩など、長引く慢性的な痛みと体の不調
- 所属院:こころ鍼灸整骨院(兵庫県小野市中町278-3 ひかりハイツ101)
参考文献・引用元
- 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 監修、「頭痛の診療ガイドライン」作成委員会 編集『頭痛の診療ガイドライン2021』医学書院、2021年(危険な頭痛のサイン:第Ⅷ章 二次性頭痛)






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