

坐骨神経痛が夜につらくなるときは、まず、重い病気のサインが重なっていないかを確かめることが大切です。研究のまとめでは、夜の痛みなど1つのサインだけで判断せず、がんの治療歴などの重なりで考えるべきだとされています。そのうえで、眠りを整えることにも目を向けてください。睡眠と痛みは互いに影響し合い、特に眠れないことが痛みを強める方向の結びつきが強いと報告されています。
「夜、布団に入ると脚のしびれが気になって眠れない」
「夜中に痛みで目が覚めてしまう」
「寝不足の日は、昼間の痛みも強い気がする」
このようなお悩みをお持ちの方に、少しでもお役に立てる情報をお届けできればと思います。
結論からお伝えします。夜につらい坐骨神経痛は、まず重い病気のサインが重なっていないかを確かめてください。そのうえで、眠りを整えることが、痛みと付き合ううえで大切です。
こんにちは、兵庫県小野市でこころ鍼灸整骨院を開業しています院長の作尾大介です。
坐骨神経痛のご相談では、「夜がいちばんつらい」というお話をよく伺います。体を休めたいはずの時間に、痛みやしびれで眠れないのは、本当につらいことです。睡眠が足りないまま朝を迎え、家事や仕事に向かう方もたくさんいらっしゃいます。
このブログでは、坐骨神経痛が夜につらくなるとき、気をつけたいことをお話しします。
なぜ坐骨神経痛は、夜につらく感じることがあるのでしょうか?
夜につらくなる理由は、人によってさまざまです。寝ている姿勢や、日中の疲れが関わっていることもあります。
その中で、知っておいていただきたいのが、睡眠と痛みの関係です。アメリカの痛みの学会誌に載った研究のまとめ(Finanら、2013年)では、睡眠と痛みは互いに影響し合うとされています。眠りが浅いと痛みを感じやすくなり、痛みがあると眠りが浅くなる、という関係です。
さらに同じまとめでは、2つの方向の結びつきが比べられています。睡眠の乱れが痛みを強める方向のほうが、痛みが睡眠を乱す方向よりも、強く確かだったとされています。
ここで、スマートフォンの充電を思い出してみてください。夜のうちにしっかり充電できないと、翌日は電池の減りが早く感じます。そして、昼間に電池を使い切るほど、夜の充電にも時間がかかります。
体も、これと似ています。夜にしっかり休めないと、翌日の痛みを感じやすくなり、その痛みがまた夜の眠りを妨げます。だからこそ、痛みそのものだけでなく、眠りを整えることにも目を向けることが大切なのです。
寝ている姿勢は、坐骨神経痛と関わっているのでしょうか?
日本整形外科学会の「腰部脊柱管狭窄症」のパンフレットでは、腰の神経の通り道は、前かがみで広くなるとされています。あおむけで脚をまっすぐ伸ばして寝ると、腰が反りやすくなることがあります。脚の痛みやしびれで眠りにくいときは、寝る姿勢を少し工夫してみてください。「坐骨神経痛は、座ると楽か立つと楽かで何がわかるのでしょうか?」で詳しくお話ししています。
夜の坐骨神経痛で、重い病気のサインはどう見分けるのでしょうか?
夜の痛みは、重い病気のサインのひとつとして知られています。けれど、夜の痛みがあるからといって、すぐに重い病気と決まるわけではありません。
国際的な医学の研究をまとめる「コクラン」の報告があります(Henschkeら、2013年)。そこでは、1つの質問だけで判断すべきではないとされています。その中で、がんの治療を受けたことがあるかどうかは、意味のある手がかりとされています。イギリスの医学雑誌に載った研究のまとめもあります(Downieら、2013年)。そこでも、最も強い手がかりは、がんの治療歴だとされています。
つまり、夜の痛みに、ほかのサインが重なっていないかを見ることが大切です。防衛医科大学校の千葉一裕教授の解説では、坐骨神経痛はときに重い病気から起こることがあるとされています。腫瘍や感染、けが、骨粗しょう症による背骨の骨折などです。「坐骨神経痛で、すぐに病院へ行ったほうがよいのはどんなときでしょうか?」で詳しくお話ししています。
坐骨神経痛で、こんなときは医療機関を受診してください
夜の痛みに、次のようなサインが重なるときは、整骨院より先に医療機関を受診してください。
- がんの治療を受けたことがある
- 熱がある
- じっと休んでいても痛みが引かず、日ごとに強くなっている
- 転んだり、尻もちをついたりしたあとから痛み始めた
- 脚の力が入らない、おしっこや便が出にくい・漏れてしまう
急いで医師の診察が必要な場合があります。当院でも、初回の問診と検査で、こうしたサインがないかを確認しています。気になるサインが見つかったときは、医療機関への受診をお勧めしています。
坐骨神経痛のために、今日からできることはありますか?
寝るときの姿勢は、どのように工夫すればよいのでしょうか?


あおむけに寝るときは、膝の下にクッションや丸めたバスタオルを入れてみてください。膝が軽く曲がることで、腰が反りにくくなります。高さは、膝の裏にすき間ができない程度で十分です。高すぎて違和感があるときは、タオルの厚みを調整してください。
眠りを整えるために、できることはありますか?
まずは、布団に入る時刻と、朝起きる時刻をそろえることから始めてみてください。休みの日も、起きる時刻をふだんと1時間以内のずれに収めるのが目安です。寝る30分前には部屋の明かりを少し落として、体が休む準備をしやすくします。まずは2週間ほど続けてみてください。
まとめ
- 坐骨神経痛が夜につらいときは、まず重い病気のサインが重なっていないかを確かめてください
- 夜の痛みだけで判断せず、がんの治療歴などの重なりで考えることが大切だとされています
- 睡眠と痛みは互いに影響し合い、眠れないことが痛みを強める方向の結びつきが強いとされています
- あおむけで寝るときは、膝の下にクッションを入れてみてください
- 布団に入る時刻と起きる時刻をそろえて、眠りを整えてみてください
夜の痛みやしびれで眠れない日が続くと、心も体も疲れてしまいます。気になるサインがないことを確かめたうえで、眠りを整えるところから取り組んでいただければ幸いです。小野市周辺で坐骨神経痛にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
このブログが、坐骨神経痛でお悩みの方のお役に立てれば幸いです。
最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。皆様の健康と、笑顔あふれる毎日を心よりお祈りしております。
(監修:柔道整復師・はり師・きゅう師 作尾大介)
この記事を書いた人


作尾 大介(さくお だいすけ)
- 資格:柔道整復師・はり師・きゅう師(いずれも国家資格)
- 施術歴:2005年より20年以上
- 得意分野:頭痛、肩こり、腰痛、坐骨神経痛、五十肩など、長引く慢性的な痛みと体の不調
- 所属院:こころ鍼灸整骨院(兵庫県小野市中町278-3 ひかりハイツ101)
- 院のURL:https://kokoro-ono.com/
参考文献・引用元
- Finan PH, Goodin BR, Smith MT. The association of sleep and pain: an update and a path forward. J Pain. 2013;14(12):1539-1552.
- Henschke N, Maher CG, Ostelo RW, de Vet HC, Macaskill P, Irwig L. Red flags to screen for malignancy in patients with low-back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2013;(2):CD008686.
- Downie A, Williams CM, Henschke N, et al. Red flags to screen for malignancy and fracture in patients with low back pain: systematic review. BMJ. 2013;347:f7095.
- 千葉一裕「坐骨神経痛[私の治療]」Web医事新報(日本医事新報社、2021年。2026年更新)https://jmedj.co.jp/blogs/product/product_18104/
- 公益社団法人日本整形外科学会「整形外科シリーズ8 腰部脊柱管狭窄症」(2024年)https://www.joa.or.jp/public/pdf/joa_008.pdf



















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