

坐骨神経痛で脚がしびれるのは、神経の中を流れる血の巡りが関わっていると考えられています。神経が押さえつけられると、その巡りが滞るのです。神経の中には細い血管がたくさん通っていて、神経はその血の巡りで養われています。動物の実験では、ごく弱い圧迫でも、神経の中の血の流れが乱れ始めることが分かっています。長い正座のあとの足のしびれは、これを身近に体験できる例です。
「立っていると、片足のすねの外側がジンジンしびれてくる」
「座っていると、ふくらはぎがピリピリしてくる」
「しびれがずっと続いていて、このままで大丈夫なのか心配になる」
このようなお悩みをお持ちの方に、少しでもお役に立てる情報をお届けできればと思います。
結論からお伝えします。坐骨神経痛のしびれには、神経の中を流れる血の巡りが関わっています。神経を養う細い血管は、とても弱い圧迫でも流れが乱れやすいのです。
こんにちは、兵庫県小野市でこころ鍼灸整骨院を開業しています院長の作尾大介です。
坐骨神経痛のご相談では、「しびれが一番つらい」というお話をよく伺います。痛みと違って、しびれは言葉で伝えにくく、周りの人にも分かってもらいにくいものです。ジンジン、ピリピリとした感覚を抱えたまま、毎日を過ごすのは本当に大変なことです。
このブログでは、坐骨神経痛で脚がしびれるとき、神経の中で何が起きているのかをお話しします。
なぜ坐骨神経が押さえつけられると、脚がしびれるのでしょうか?
坐骨神経(ざこつしんけい)は、腰から出てお尻の奥を通り、太ももの裏から足先まで伸びる神経です。日本整形外科学会のパンフレットでは、この神経の通り道のどこかで問題が起きると、坐骨神経痛になるとされています。
神経は、1本の電線のように描かれることがよくあります。けれど実際には、神経の中には細い血管がたくさん通っています。神経は、この血管から運ばれる酸素や栄養によって養われています。
1981年に、ウサギの神経を使って、圧迫と血の流れの関係を調べた実験が発表されています(Rydevikら)。そこでは、ごく弱い圧迫でも、神経の中の細い静脈の流れが乱れ始めました。圧迫を強くしていくと、細い動脈の流れも落ち、さらに強くなると、神経の中の血の流れが止まったとされています。
ここで、田んぼに水を引く用水路を思い出してみてください。途中の水門が少し閉まるだけで、その先の田んぼには水が届きにくくなります。水門がすべて閉まれば、水はまったく届きません。
神経も同じだと考えられています。神経の通り道が押さえつけられると、神経の中の血の巡りが滞り、その先まで酸素や栄養が届きにくくなります。このことが、しびれにつながると考えられているのです。
長い正座のあとのしびれは、どうして起こるのでしょうか?
この状態は、多くの方が一度は体験されています。長い正座のあとの、あの足のしびれです。正座で神経と血管が押さえつけられて、一時的に血の巡りが滞った状態だと考えられています。
正座なら、立ち上がって足を伸ばせば、しばらくすると戻ります。けれど、お尻や太ももの筋肉が硬くなって神経を押さえている場合は、そうはいきません。立っても座っても押さえられた状態が続くため、ジンジンとしたしびれが続きやすくなるのです。「坐骨神経痛の原因になる梨状筋症候群とは、どんな状態なのでしょうか?」で詳しくお話ししています。
坐骨神経痛のしびれが長く続くと、どうなるのでしょうか?
しびれが長く続くと、脚に力が入りにくくなることがあります。日本整形外科学会の「腰椎椎間板ヘルニア」のパンフレットにも、その様子が書かれています。脚にしびれや痛みが広がり、時に力が入りにくくなることがある、というものです。
さらに続くと、筋肉がやせてきたり、触れられた感覚が鈍くなったりすることもあると当院では考えています。だからこそ、我慢を重ねるより、早めに原因を確かめて対処していくことが大切です。
当院では、しびれの出ている範囲や、触れた感覚の左右差を確かめます。筋肉や関節の動きも見ながら、どこで神経が押さえられているのかを探していきます。
坐骨神経痛で、こんなときは医療機関を受診してください
しびれの裏に、急いで治療が必要な状態が隠れていることもあります。次のような場合は、整骨院より先に、整形外科などの医療機関を受診してください。
- 脚や足首に力が入らない、つまずきやすくなった
- しびれや力の入りにくさが、日ごとに強くなっている
- おしっこや便が出にくい、または漏れてしまう
- 熱がある、がんの治療を受けたことがある、転んだあとから痛む
日本整形外科学会の「腰椎椎間板ヘルニア」のパンフレットには、手術が行われる場合も書かれています。脚の脱力や、排尿・排便の障害が出てくる場合です。急いで医師の診察が必要な場合があるサインです。
当院でも、初回の問診と検査で、こうしたサインがないかを確認しています。気になるサインが見つかったときは、医療機関への受診をお勧めしています。
坐骨神経痛のために、今日からできることはありますか?
長く座ったあと、立ち上がる前にできることはありますか?


長く座ったあとは、立ち上がる前に、足首をゆっくり回してみてください。椅子に浅く座り、片方の足を少し前に出して、かかとを床につけます。つま先で大きな円を描くように、外回りに5回、内回りに5回、ゆっくり回します。反対の足も同じように行います。
テレビを見たあとや、車を降りる前、デスクワークの合間など、1日に何度でも行えます。足首を動かすと、ふくらはぎの筋肉も一緒に動きます。途中でしびれや痛みが強くなったときは、無理をせず中止してください。
まとめ
- 坐骨神経痛のしびれには、神経の中を流れる血の巡りが関わっていると考えられています
- 神経の中には細い血管がたくさん通っていて、神経はその血の巡りで養われています
- 動物の実験では、ごく弱い圧迫でも、神経の中の血の流れが乱れ始めるとされています
- しびれが長く続くと、脚に力が入りにくくなることがあるので、早めに原因を確かめることが大切です
- 長く座ったあとは、立ち上がる前に足首をゆっくり5回ずつ回してみてください
しびれは目に見えないぶん、「そのうち治まるだろう」と我慢してしまいがちです。しびれの仕組みを知っておくと、早めに体の声に気づくきっかけになります。小野市周辺で坐骨神経痛のしびれにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
このブログが、坐骨神経痛でお悩みの方のお役に立てれば幸いです。
最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。皆様の健康と、笑顔あふれる毎日を心よりお祈りしております。
(監修:柔道整復師・はり師・きゅう師 作尾大介)
この記事を書いた人


作尾 大介(さくお だいすけ)
- 資格:柔道整復師・はり師・きゅう師(いずれも国家資格)
- 施術歴:2005年より20年以上
- 得意分野:頭痛、肩こり、腰痛、坐骨神経痛、五十肩など、長引く慢性的な痛みと体の不調
- 所属院:こころ鍼灸整骨院(兵庫県小野市中町278-3 ひかりハイツ101)
- 院のURL:https://kokoro-ono.com/
参考文献・引用元
- 公益社団法人日本整形外科学会「整形外科シリーズ29 坐骨神経痛」(2025年)https://www.joa.or.jp/public/pdf/joa_029.pdf
- 公益社団法人日本整形外科学会「整形外科シリーズ2 腰椎椎間板ヘルニア」(2024年)https://www.joa.or.jp/public/sick/pdf/MO0007DKA.pdf
- Rydevik B, Lundborg G, Bagge U. Effects of graded compression on intraneural blood flow. An in vivo study on rabbit tibial nerve. J Hand Surg Am. 1981;6(1):3-12.




















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