

坐骨神経痛の症状が強い時期は、強い刺激を控えたほうがよい、というのが当院の考えです。お尻をぐりぐり押すマッサージや、反動をつけたストレッチのことです。疲れている筋肉に強い刺激を加えると、かえって回復を妨げることがあると考えているからです。症状が落ち着いてきたら、心地よい範囲のストレッチは問題ありません。つらい時期は、体にやさしい刺激を選んでください。
「お尻の奥が痛くて、テニスボールでぐりぐり押している」
「動画を見て、痛いのを我慢しながらストレッチを続けている」
「強くもんでもらうと、その日は楽になるけれど、すぐに戻ってしまう」
このようなお悩みをお持ちの方に、少しでもお役に立てる情報をお届けできればと思います。
結論からお伝えします。坐骨神経痛の症状が強い時期は、お尻を強く押したり、反動をつけて伸ばしたりするのは控えてください。疲れている筋肉には、やさしい刺激が向いています。
こんにちは、兵庫県小野市でこころ鍼灸整骨院を開業しています院長の作尾大介です。
坐骨神経痛のご相談では、「痛いところを自分で強く押していた」というお話をよく伺います。少しでも早く楽になりたいと、できることを探して続けてこられたのです。痛みやしびれを何とかしようと、毎日がんばっておられるのは、本当に大変なことです。
このブログでは、坐骨神経痛のときに強い刺激を控えたほうがよい理由をお話しします。あわせて、代わりにできることもご紹介します。
なぜ坐骨神経痛のとき、強く押したり伸ばしたりしないほうがよいのでしょうか?
坐骨神経(ざこつしんけい)は、腰から出てお尻の奥を通り、太ももの裏から足先まで伸びる神経です。お尻では、いくつもの筋肉のあいだをすり抜けるように通っています。
坐骨神経痛のときは、この通り道の筋肉が硬くなっていることがよくあります。硬くなった筋肉は、ほぐしたくなるものです。けれど当院では、硬くなっている筋肉は「疲れている筋肉」だと考えています。
ここで、風邪をひいて寝込んだあとのことを思い出してみてください。病み上がりにいきなり焼肉を出されても、胃が受けつけないことがあります。弱っている体に合うのは、消化のよいおかゆです。
筋肉も同じだと考えています。疲れている筋肉にとって、強く押す、強く伸ばすという刺激は、焼肉のように重い負担になることがあります。当院では、強い刺激がかえって筋肉や神経を傷めてしまうおそれがあると考えています。疲れている筋肉に必要なのは、おかゆのような、やさしい刺激です。
「強くもんでもらうと、その日は楽になるのに、すぐ戻ってしまう」というお話もよく伺います。当院では、これも筋肉が疲れたままになっているサインのひとつだと考えています。強い刺激で一時的に楽に感じても、疲れそのものが抜けていなければ、また同じ硬さに戻りやすいのです。
坐骨神経痛のとき、どんな刺激なら体にやさしいのでしょうか?
目安は、「痛くない」「気持ちいい」と感じられる範囲かどうかです。次のようなものは、症状が強い時期は控えてください。
- テニスボールなどで、痛いところをぐりぐりと押し続ける
- 反動をつけて、勢いよく脚を伸ばす
- 痛みやしびれを我慢しながら、ストレッチを続ける
反対に、ゆっくり動かす、手のひらでやさしく触れる、といった刺激は、体への負担が小さいと考えています。症状が落ち着いてきたら、心地よい範囲でのストレッチは問題ありません。「坐骨神経痛のときは、じっと安静にしていたほうがよいのでしょうか?」で詳しくお話ししています。
症状が落ち着いてきたかどうかは、何を目安にすればよいのでしょうか?
次のような変化が出てきたら、症状が落ち着いてきた目安になります。
- 朝起き上がるときや、椅子から立ち上がるときに、痛みが出にくくなってきた
- 同じ姿勢を続けても、しびれが出るまでの時間が長くなってきた
- 歩いたり家事をしたりしたあとに、痛みが強くならなくなってきた
ストレッチを始めるときは、反動をつけず、呼吸を止めずに、気持ちよく伸びるところで止めてください。伸ばしている途中でしびれが出てきたら、そこで中止します。「少し物足りない」と感じるくらいから始めるのが、体にやさしい進め方です。
当院の施術でも、強く押したり、強く引っぱったりはしていません。手を添える程度の力で、関節の動きや筋肉の硬さを一つずつ確かめながら整えていきます。施術を受けるときに、痛みを我慢していただくことはありません。
坐骨神経痛で、こんなときは医療機関を受診してください
日本整形外科学会のパンフレットには、こうも書かれています。診断がつかないまま長い期間、マッサージや注射だけで様子を見るのは勧められない、ということです。坐骨神経痛の原因には、まれに重い病気が隠れていることがあるからです。次のような場合は、整骨院より先に医療機関を受診してください。
- 脚や足首に力が入らない、つまずきやすくなった
- しびれや力の入りにくさが、日ごとに強くなっている
- おしっこや便が出にくい、または漏れてしまう
- マッサージやストレッチのあとから、痛みやしびれが強くなり、数日たっても戻らない
防衛医科大学校の千葉一裕教授の解説でも、坐骨神経痛はときに重い病気から起こることがあるとされています。背骨や神経の腫瘍(しゅよう)、感染、けが、骨粗しょう症による背骨の骨折などです。急いで医師の診察が必要な場合があります。
当院でも、初回の問診と検査で、こうしたサインがないかを確認しています。気になるサインが見つかったときは、医療機関への受診をお勧めしています。
坐骨神経痛のために、今日からできることはありますか?
寝たままできる、やさしい動きはありますか?


あおむけに寝て、両膝を立てます。両膝をそろえたまま、ゆっくりと右へ倒し、また真ん中に戻します。次に左へ倒し、真ん中に戻します。倒すのは、痛みやしびれが出ない、気持ちのよいところまでで十分です。
左右で1回と数えて、10回ほどが目安です。朝起きたときや、夜寝る前の布団の上で行ってみてください。反動はつけず、呼吸を止めずに、ゆっくり動かすのがコツです。途中で痛みやしびれが強くなったときは、無理をせず中止してください。
まとめ
- 坐骨神経痛の症状が強い時期は、お尻を強く押したり、反動をつけて伸ばしたりするのは控えてください
- 硬くなっている筋肉は、疲れている筋肉だと当院では考えています
- 疲れている筋肉には、おかゆのような、やさしい刺激が向いています
- 症状が落ち着いてきたら、心地よい範囲のストレッチは問題ありません
- 寝たまま両膝をゆっくり左右に倒す動きを、10回ほど行ってみてください
早く楽になりたいという気持ちから、つい強く押したくなるのは無理もないことです。「痛くない」「気持ちいい」を目安に、体にやさしい刺激を選んでいただければ幸いです。小野市周辺で坐骨神経痛にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
このブログが、坐骨神経痛でお悩みの方のお役に立てれば幸いです。
最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。皆様の健康と、笑顔あふれる毎日を心よりお祈りしております。
(監修:柔道整復師・はり師・きゅう師 作尾大介)
この記事を書いた人


作尾 大介(さくお だいすけ)
- 資格:柔道整復師・はり師・きゅう師(いずれも国家資格)
- 施術歴:2005年より20年以上
- 得意分野:頭痛、肩こり、腰痛、坐骨神経痛、五十肩など、長引く慢性的な痛みと体の不調
- 所属院:こころ鍼灸整骨院(兵庫県小野市中町278-3 ひかりハイツ101)
- 院のURL:https://kokoro-ono.com/
参考文献・引用元
- 公益社団法人日本整形外科学会「整形外科シリーズ29 坐骨神経痛」(2025年)https://www.joa.or.jp/public/pdf/joa_029.pdf
- 千葉一裕「坐骨神経痛[私の治療]」Web医事新報(日本医事新報社、2021年。2026年更新)https://jmedj.co.jp/blogs/product/product_18104/



















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