

坐骨神経痛が抱っこや床座りのあとに強くなるのは、同じ姿勢が長く続くためだと当院では考えています。お尻のまわりに、負担が集まりやすくなるのです。背中が丸まり、骨盤が後ろに倒れた姿勢が続くと、お尻の筋肉が休めません。さらに、足の裏で床を感じる時間が減ると、神経の働きも乱れやすくなります。座り方や抱っこの合間の過ごし方を少し変えるだけでも、体の負担は変わります。
「子どもを抱っこしていると、お尻から脚にかけて重だるくなってくる」
「床に座って授乳したあと、立ち上がると片脚がしびれている」
「横座りで家事をしたあと、お尻の奥がズーンと痛む」
このようなお悩みをお持ちの方に、少しでもお役に立てる情報をお届けできればと思います。
結論からお伝えします。抱っこや床座りのあとに坐骨神経痛が強くなるのは、同じ姿勢が続いて、お尻のまわりに負担が集まりやすいからです。姿勢そのものより、同じ形が続くことが大きいと考えています。
こんにちは、兵庫県小野市でこころ鍼灸整骨院を開業しています院長の作尾大介です。
当院には、子育て中のお母さんから、坐骨神経痛のご相談をいただくことがよくあります。抱っこもおんぶも、授乳も、やめるわけにはいきません。痛みやしびれを抱えながら、毎日の子育てを続けるのは、本当に大変なことです。
このブログでは、抱っこや床座りのあとに坐骨神経痛が強くなる理由と、暮らしの中でできる工夫をお話しします。子育て中の方だけでなく、床に座って過ごす時間が長い方にも当てはまる内容です。
なぜ抱っこや床座りで、坐骨神経痛が強くなるのでしょうか?
坐骨神経(ざこつしんけい)は、腰から出てお尻の奥を通り、太ももの裏から足先まで伸びる神経です。お尻では、いくつもの筋肉のあいだをすり抜けるように通っています。
抱っこやおんぶをしているときは、子どもの重さを支えるために、背中が丸まりやすくなります。前かがみの家事や、床に座っての授乳でも同じです。背中が丸まると骨盤が後ろに倒れ、お尻の筋肉が引き伸ばされたまま、休めない状態が続きます。
ここで、買い物袋を思い出してみてください。重い袋をいつも同じ手で持っていると、その腕だけが疲れてきます。持つ手を替えれば楽になるのに、急いでいるとつい同じ側で持ち続けてしまいます。
体も同じです。抱っこをいつも同じ腕でしている、横座りをいつも同じ向きでしている。こうした「いつも同じ」が重なると、片側のお尻の筋肉にばかり負担が集まります。当院では、硬くなったお尻の筋肉が坐骨神経の通り道を押さえ、痛みやしびれにつながることがあると考えています。
坐骨神経痛と、神経の「働き」はどう関わっているのでしょうか?
もうひとつ、当院が大切にしている見方があります。それは、神経の「働き」です。「坐骨神経痛と言われたけれど、本当の原因はどこにあるのでしょうか?」で詳しくお話ししています。
ふだん私たちは、足の裏で床を感じ、膝の曲がり具合を感じながら立ったり歩いたりしています。こうした感覚は休みなく脳に届き、脳はそれを受けて、姿勢を支える筋肉に指令を返しています。当院では、神経はこうして使われ続けることで、その働きを保っていると考えています。
床に座って授乳をしている時間や、あぐら・横座りの時間は、足の裏で床を踏みしめる機会が減ります。当院では、こうして足からの感覚が届きにくい時間が長く続くと、神経がかえって過敏になることがあると考えています。過敏になった神経は、小さな刺激でも、痛みやしびれとして受け取りやすくなります。
さらに、姿勢を支える筋肉が働きにくくなると、背中が丸まり、骨盤が後ろに倒れた姿勢が定着しやすくなります。するとまたお尻の筋肉に負担が集まる、という流れが生まれます。そのため当院では、施術の前に、足の感覚がきちんと脳に届いているかを確かめるところから始めています。
床座りの中でも、気をつけたい座り方はありますか?
- 横座り:片側のお尻に体重がかかり続けます
- あぐら:股関節を外に開いたまま、背中が丸まりやすくなります
- 低い位置での授乳:前かがみの姿勢が長く続きます
どの座り方も、それ自体が悪いわけではありません。気をつけたいのは、同じ座り方が長く続くことです。
坐骨神経痛で、こんなときは医療機関を受診してください
日本整形外科学会のパンフレットでは、坐骨神経痛は病名ではなく症状の名前で、原因となる病気はたくさんあるとされています。抱っこや姿勢の負担だけと決めつけず、次のような場合は、整骨院より先に医療機関を受診してください。
- 脚や足首に力が入らない、つまずきやすくなった
- しびれや力の入りにくさが、日ごとに強くなっている
- おしっこや便が出にくい、または漏れてしまう
- 熱がある、転んだり尻もちをついたりしたあとから痛む
日本整形外科学会の「腰椎椎間板ヘルニア」のパンフレットには、手術が行われる場合も書かれています。脚の脱力や、排尿・排便の障害が出てくる場合です。急いで医師の診察が必要な場合があるサインです。妊娠中や産後間もない方は、かかりつけの産婦人科の先生にもご相談ください。
当院でも、初回の問診と検査で、こうしたサインがないかを確認しています。気になるサインが見つかったときは、医療機関への受診をお勧めしています。
坐骨神経痛のために、今日からできることはありますか?
床座りの時間は、どのように工夫すればよいのでしょうか?
授乳やくつろぐ時間は、できるだけ背もたれのある椅子やソファに座ってみてください。足の裏を床にぺったりつけて座るのがポイントです。床に座るときは、横座りの向きを15分ほどで左右入れ替えてみてください。キッチンタイマーや、スマホのタイマーを使うと忘れにくくなります。
抱っこのあとに、どんな動きをすればよいのでしょうか?


抱っこやおんぶのあと、子どもを下ろしたら、その場で立ったまま足を腰幅に開きます。右の足の裏、左の足の裏と、床を踏みしめるようにゆっくり体重を移してください。かかと、親指のつけ根、小指のつけ根で床を感じるのがコツです。
左右で1回と数えて、10回ほどが目安です。1日の中で、抱っこのあとに数回行ってみてください。痛みやしびれが強くなるときは、無理をせず中止してください。
まとめ
- 抱っこや床座りのあとに坐骨神経痛が強くなるのは、同じ姿勢が続いて、お尻のまわりに負担が集まりやすいからです
- 背中が丸まって骨盤が後ろに倒れると、お尻の筋肉が休めない状態が続きます
- 足の裏で床を感じる時間が減ると、神経の働きも乱れやすいと当院では考えています
- 授乳やくつろぐ時間は椅子やソファで、横座りは15分ほどで向きを入れ替えてみてください
- 抱っこのあとに、足の裏で床を踏みしめる体重移動を10回ほど行ってみてください
子育ても家事も、毎日のことです。完璧に姿勢を気をつけるのは難しくても、「同じ形を続けない」ことなら、少しずつ取り入れやすいはずです。小野市周辺で、抱っこや床座りのあとの坐骨神経痛にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
このブログが、坐骨神経痛でお悩みの方のお役に立てれば幸いです。
最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。皆様の健康と、笑顔あふれる毎日を心よりお祈りしております。
(監修:柔道整復師・はり師・きゅう師 作尾大介)
この記事を書いた人


作尾 大介(さくお だいすけ)
- 資格:柔道整復師・はり師・きゅう師(いずれも国家資格)
- 施術歴:2005年より20年以上
- 得意分野:頭痛、肩こり、腰痛、坐骨神経痛、五十肩など、長引く慢性的な痛みと体の不調
- 所属院:こころ鍼灸整骨院(兵庫県小野市中町278-3 ひかりハイツ101)
- 院のURL:https://kokoro-ono.com/
参考文献・引用元
- 公益社団法人日本整形外科学会「整形外科シリーズ29 坐骨神経痛」(2025年)https://www.joa.or.jp/public/pdf/joa_029.pdf
- 公益社団法人日本整形外科学会「整形外科シリーズ2 腰椎椎間板ヘルニア」(2024年)https://www.joa.or.jp/public/sick/pdf/MO0007DKA.pdf



















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